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1.嗅覚のメカニズム コラム:鼻以外にもある嗅覚受容体 [健康]

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4.触覚を使ったケア (2)タクティールケア


 においを感知する嗅覚受容体は、鼻腔の中の嗅上皮だけでなく、脳、心臓・
血管、腎臓などの臓器にも存在しています。そして近年、肺にも存在すること
が海外の研究グループより報告されました。肺で見つかった嗅覚受容体は、肺
胞などに存在する肺内神経分泌細胞にありました。この細胞は、セロトニンや
神経ペプチドなどの神経伝達物質を豊富に産生します。これらの神経伝達物質
は、肺の発達、生理機能の調整をしていますが、一方で、咳や喘息も誘発する
と考えられています。

 肺の嗅覚受容体は、異物センサーとして常時働いており、たばこの煙や排気
ガスの臭い物質を感知すると、セロトニンなどを放出し、周りの神経や筋肉を
刺激するため咳が出ます。肺の嗅覚受容体は脳へ情報を伝えるのではなく、そ
の場で速やかに大量の神経伝達物質を放出し、非常事態に対応しているのです。

つまり肺は、複数種の嗅覚受容体を発現し、さまざまな物質に幅広く速やかに
対応する優れたシステムを備え、私たちの体を守ってくれています。

 しかし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者の肺には、嗅覚受容体が健常人
よりも多く存在することが確認されています。そのため、神経伝達物質の産生
が過剰になり、呼吸障害が起こります。よって、肺疾患の原因は、嗅覚受容体
の働きが鍵を握っている可能性があります。





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