SSブログ

子宮の「伸縮力」 母体と胎児の変化 [健康]

 子宮は、受精卵を着床させ、胎児を守り育むための力を持った臓器で、妊娠
すると胎児の成長に伴って大きく変化します。では、その変貌を覗いていきま
しょう。






胎児の成長過程 発育例




子宮の「伸縮力」

 女性の子宮は、伸縮性に富んだ筋肉でできています。それは、子宮の壁が平
滑筋という縦横斜めに自由に伸び縮みすることができる筋肉でできているから
です。妊娠したとき、胎児が大きく成長しても難なく対応できるのはこの子宮
の伸縮力のおかげです。


 妊娠前の子宮の大きさは、縦約7cm、横約4cm、重さ約50gで鶏の卵ぐらい
の大きさをしていて、容積約2㎖です。それが胎児の成長などによって変化し
ていき、妊娠後期に入って一気に大きくなります。そのため、子宮は、膀胱と
直腸の間に位置していることから、膀胱が下に押されて、直腸を圧迫するなど
内臓を圧迫させて下半身の血液循環を悪くしてしまう傾向にあります。妊娠後
期に頻尿や便秘ぎみなどの症状が引き起こされるのはこのためです。


 出産まで約10ヵ月をかけて大きくなった子宮は、出産後すぐに元の大きさに
戻るわけではありません。まず、出産直後、子宮は一旦握りこぶし大に縮み、
その後少し大きくなります。そして、再び小さくなるという経過をたどり、6~
8週間かけて妊娠前の状態に戻っていきます。


 子宮は、妊娠過程において最終的に胎児を収容するほどに変貌を遂げること
から、その伸縮力は絶大といえるでしょう。



nice!(17)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

胎児の成長過程 発育例 [健康]

胎児の成長過程 






受精卵から胚子・胎児へ 着床から受精後



 受精後8週以後の胎児期は、ほぼすべての器官が形成される重要な時期で、
大きな変化を遂げていきます。



胎児の発育例

時期      発育例
8~11週  ・尻尾が完全になくなり、頭・足・胴が分かれて3頭身になる
       ・肝臓や胃、腎臓などが働きだし、胎児は羊水を飲み、尿を排せつしはじめる
       ・心音が聴取できる

12~15週 ・器官形成が終わり、骨や筋肉が発達していく
       ・男女の外性器ができる
       ・羊水の量が増え、手足を動かすようになる

16~19週 ・骨格筋が発達し、胎動(羊水の中で自由に動き回る)がはじまる
       ・髪の毛が生える
       ・心音がはっきりする

20~23週 ・皮膚の表面に胎脂(皮膚からはがれた細胞や皮脂腺からの分泌物が混じった
        もの)が分泌される
       ・臓器の機能側成熟し、体の細部が発育していく
       ・体の末端まで筋肉がつき、大きく体を動かすようになる

24~27週 ・脳の発達が進み、体全体の機能をコントロールするようになる
       ・羊水の中で回転して自分で向きを変えられる
       ・耳や目で得た情報を脳へ送る伝達経路が完成する

28~31週 ・心臓や肺、腎臓などの内臓器官や脳などの中枢神経の機能が充実してくる
       ・聴覚がほぼ完成し、外の大きな音に反応するようになる
       ・母体の骨盤の中に、大きな頭やおしりを入れて、縦の向きになる

32~35週 ・体つきがふっくらして、外見的に新生児とほとんど同じようになる
       ・胎児を保護する作用がある胎脂で全身が覆われる
       ・35週ころになると肺の機能がほぼ完成に近づく

36週~   ・腎臓機能が成熟して、肌は張りのあるピンク色になる
       ・皮下脂肪がしっかり付き、ふっくらした体つきになる
       ・顎を胸に付け、膝を腹部に引き寄せた姿勢を取る



nice!(22)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

受精卵から胚子・胎児へ 着床から受精後 [健康]

受精卵から胚子・胎児へ 










卵子と精子の“出会い”の力



 卵子と精子が出会うこと(受精)で、1個の受精卵になります。受精卵は、2
分割、4分割、8分割、16分割と分裂を行ないながら、精子が旅してきた道とは
逆の道をたどり子宮へと戻っていきます。このとき、卵管から子宮までの道の
りでは、卵管の内側の絨毛によって運ばれていきます。受精卵は、卵管を進ん
でいる間も盛んに分裂を続け、やがて桑の実に形の似た「桑実胚」と呼ばれる
細胞の塊になります。さらに細胞数が100個前後になると、内側に空洞が生じ
て「胚盤胞」になります。
 胚盤胞は、将来胎児になる細胞(内部細胞塊)と将来の胎盤をつくる細胞(栄
養外肺葉)から構成されます。内部細胞塊は、子宮内膜に付着し、胎盤の原型
といえる栄養膜合胞体層を形成し、母体の血液から酸素や栄養素を受け取るよ
うになります。やがて、胚盤胞は、子宮内膜を浸食するように潜り込んでいき、
子宮内膜に着床が完了します。ここまでの受精から着床までの期間は、約1週
間程度です。
 着床が完了すると、胚盤胞の内部細胞塊は、内部に卵黄嚢(胎盤が完成する
までの間、胎児が成長するために必要な栄養素を供給するための袋)と羊膜腔
(羊水を満たす空間)を持つダルマ状の形状をつくり出します。このダルマの
首の部分は「胚盤」と呼ばれ、後に胎児となります。


 胚盤は、受精後8週以後になると胎児と呼ばれますが、胎児になるまでの間
は胚子と呼ばれます。受精後4週に入ると、平らな円盤のようなものから生物
らしい外見に変化していきます。胚子は次第に折りたたまれていき、卵黄嚢か
ら栄養素をもらい、目となる水晶体板や腕となる上肢芽などさまざまな臓器や
組織の原型が形成されていきます。また、卵黄嚢の一部は、胚子へと取り込ま
れ、前腸、中腸、後腸となり、それぞれから消化管の原型が出来上がって
いきます。




nice!(20)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

卵子と精子の“出会い”の力 [健康]

 私たちの生命の誕生は、1~4億個の精子がわずか1個の卵子を目座右レース
によって幕を開けます。精子が卵子にたどり着くことができれば、その精子は
卵子とともに新たな生命を育むことができるのです。
 生命の誕生追うために、まずは卵子と精子の構造からみてきましょう。





卵子と精子はどこでつくられる?~生殖器の構造~ 女性、男性の構造




<卵子と精子の構造>
●卵子の構造
 卵子は、胎児の成長に必要な栄養素を多く蓄える力に特化した細胞です。大
きさは、0.1~0.2㎜で人体最大の細胞です。中央には透明帯で包まれた卵黄と
核があり、顆粒膜細胞が放射状に取り巻いています。核には、母親の遺伝情報
が詰め込まれています。




●精子の構造
 精子は、運動能力に特化した細胞です。大きさは、0.05~0.07㎜で、頭部、
中間部、尾部の3つの部分に分けられます。頭部の先体には、卵子の顆粒膜細
胞と透明帯を溶かすための酵素が含まれていて、受精の際、精子はこの酵素を
使って卵子と融合します。核には、父親の遺伝情報が詰め込まれています。中
間部には、大量のミトコンドリアが、らせん状に巻き付いていて、精子が運動す
るためのエネルギーを供給しています。尾部は、鞭毛でできていて、ミトコン
ドリアからのエネルギーで運動し、力強い推進力を生み出します。

 では、卵子と精子は、どのようにして出会い、受精に至るのでしょうか。




<卵子と精子の出会いの力>
 卵子と精子の出会いの力には、「精子の推進力」と「卵子と精子の数」が関係
しています。



●精子の推進力
 卵子は、卵巣から卵管に向けて放出されます(排卵)。基本的に、排卵は月に
1度、左右1つずつある卵巣の一方で起こります。一方、精子は膣内に放出され
ます。精子は、卵子を求めて子宮と卵管という広大な空間を旅することになり
ます。
 陰茎から射出される精子の数は、1回の射精で1~4億個です。卵子との出会
いの場である卵管(卵管膨大部)に到達するまでには、いくつものハードルが
待ち構えています。
 精子が放出される膣内は酸性であるため、精子にとって生存しにくい環境で
す。さらに女性の体は、外部から入ってきた病原菌などと同様に精子を異物と
してとらえてしますため、精子は免疫細胞である白血球から攻撃を受けます。
 また、精子の中には推進力が弱く、その場で止まってしまうものや途中で力
尽き、卵子のもとへと到達できないものがいる中、長い旅路を終え、ようやく
卵子の待ち受ける卵管膨大部に到達できる精子は、結果として数百個に過ぎま
せん。そして、精子は一斉に卵子に群がり、先体から酵素を放出することで、
まず顆粒膜細胞のバリアを溶かし、次に最後の砦である透明帯のバリアを溶か
します。この過程でも多くの精子が力尽き、消え去っていきます。
 そして、精子の頭部が卵子の内部に接触した瞬間、精子の頭部だけが切り離
されて卵子の中に入り、受精が成立します。同時に、卵子の周囲には膜が張ら
れ、ほかの精子は侵入することができないように強力なバリアがつくられます。
 このように、推進力の優れた精子が、過酷なサバイバルレースをくぐり抜け
て、やっと1個の卵子と出会う(受精する)ことができるのです。



●卵子と精子の数
 卵子は、生まれる前の胎児のときに一生分の数がつくられます。受精後4ヵ
月ころになると、卵子の数はピークとなり、その数500~700万個です。しかし、
その後は自然に消滅していき、新生児として生まれるころにはすでに100~200
万個程度に減少しています。そして、思春期になり月経がはじまると、卵子は
毎月1個排卵されますが、排卵時以外にも毎日数十個のペースで消滅します。
 一方、精子は、年齢を重ねるにつれ、ホルモン活動が低下するため、造精能
力は落ちてしまいますが、胎児からはじまり生涯にわたってつくられ続けます。
 このように、卵子の数には限りがありますが、精子の数には限りがありませ
ん。そのため、卵子の数が減少すると、精子との出会いの確立が減ってしまい
ます。
 また、精子は、卵子の顆粒膜細胞と透明帯という卵子のバリアを突破するた
めに、射精時に一定の数が必要とされます。



nice!(15)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

卵子と精子はどこでつくられる?~生殖器の構造~ 女性、男性の構造 [健康]

卵子と精子はどこでつくられる?~生殖器の構造~


呼吸の温故知新・・・ヨガ、禅、ピラティス


 私たちの生命は、卵子と精子が出会い、受精卵になることではじまります。
たった1つの受精卵が母親の胎内で分裂を繰り返すことによって、胎児が形づ
くられていきます。この成長過程は、かつて私たち一人一人が例外なくたどっ
てきた道です。受精卵から胎児成長までの劇的な変化は、まさに生命の奇跡の
連続なのです。
 では、まず新しい生命を生み出す器官である生殖器の構造からみていきまし
ょう。






<女性生殖器の構造>
 女性生殖器は、外性器と内性器に分けられます。外性器は、「陰核(クリトリ
ス)」「小陰唇」「大陰唇」などで構成されています。陰核は、男性生殖器の陰茎
に相当します。小陰唇や大陰唇は、尿道口や膣口を覆って衝撃や細菌から守る
力があります。
 一方、内性器は、「卵巣」「卵管」「子宮」「膣」などで構成されています。卵
巣は、左右に一対あり、卵子を育てて排卵する力や女性ホルモンを分泌する力
があります。卵管は、約10cmの細長い管で、卵子や精子の通り道になり、受
精の場となります。
 子宮は、縦約7cm、横約4cmの袋状の器官で、直腸と膀胱の愛台に位置してい
ます。子宮の壁は、内側から子宮粘膜(子宮内膜)、子宮筋層、子宮漿膜の3
層構造になっていて、受精卵は、子宮の最も内側にある子宮内膜の壁に着床し
て胎児として成長していきます。
 膣は、外部と子宮をつなぐ管状の器官です。精子は、性交時の交接器である
膣から女性の体内に入ります。分娩時には、この膣が胎児の通り道になります。
 このように、女性生殖器は、受精・胎児の生育・分娩の場となっています。


 では、次に男性生殖器の全体像を把握しましょう。





<男性生殖器の構造>
 男性生殖器は、外性器と内性器に分けられます。外性器は、「陰嚢」「陰茎」
などで構成されています。陰嚢は、精子が一定の温度を保てるように、気温が
高いと伸び、引くと縮んで、体温を調節する力があります。陰茎は、大切な精
巣を衝撃から守るため、8枚の膜からできています。また、性交時の交接器
で女性の生殖器に精子を送り込むための力や尿を排せつする力があります。
 一方、内性器は、「精巣(睾丸)」「精巣上体(副睾丸)」「精管」「精嚢」「射精
管」「前立腺」などで構成されています。
 精巣と精巣上体は、陰嚢の中にあります。精巣は、長さ4~5cmのやや平た
い卵形をしていて、精子をつくる力や男性ホルモンを分泌する力があります。
精巣の中には、精細管と呼ばれる細い管が収められ、ここで精子がつくられま
す。精巣の上には、精子を貯蔵する精巣上体があり、精子は精巣上体で射精ま
での出番を待ちます。
 精巣上体から伸びる精管は、長さ40~60cmの細い管です。精巣上体に蓄えら
れている精子は、精嚢から分泌される分泌液と混ざり、社精管・前立腺・尿道
の中を通って、体外へ放出されます。
 このように、男性生殖器は、精子をつくり、生殖を行なうための力にかかわっ
ています。



nice!(21)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

呼吸の温故知新・・・ヨガ、禅、ピラティス [健康]

呼吸の温故知新・・・ヨガ、禅、ピラティス




姿勢で鍛える体幹の「安定力」 姿勢、歩き方、トレーニング



 どの時代にも、体幹は呼吸で整えられてきました。「ヨガ(ヨーガ)」は、イ
ンド文化に起源を持つ、歴史の古い心身の調和法です。もともとは、インドの
六種の哲学「六派哲学」の一つで、六種の中でも、心身の訓練を通して人間の
あり方をみつめることを大きな特徴としています。ヨガとは、サンスクリット
語(古代インド語)で「馬などを馬車につなぐ」という意味があり、それが転
じて、心と体、呼吸と精神を結びつけるという意味を持ちます。

 ヨガの原理は、呼吸法、対位法(身体的なポーズ)、感覚制御、意識集中、瞑
想など計8つの支則があり、中でも呼吸法と対位法を習得することで、体と精
神を満たすことができるようになるとされています。ポーズをとることだけが
目的ではなく、そのポーズをとる過程で、呼吸を感じ、気持ちを整えて自分の
気付きを感じるのです。

 このヨガに並ぶものが、禅です。禅とは、瞑想という手法で雑念や煩悩をな
くす宗教の修行です。禅のほとんどの方法は、姿勢を正して呼吸を整え、瞑想
をするというものです。座禅、立禅、歩行禅など、呼吸とさまざまな姿勢をと
ることを融合させています。ここには、心のあり方が反映され、あるがままを
受け入れ、ひたすら呼吸をし、「日日是好日(どんな日でも毎日が新鮮で素晴ら
しい日である、という意味)」という精神を持つことが大切とされています。禅
における心や精神を鍛える呼吸は、へその下の丹田に意識を向ける丹田呼吸で
す。この丹田呼吸は、ルーツをたどれば、仏教の開祖、ブッダ(釈迦)に行き
着くといわれています。


 また、ピラティスという方法も人気があります。創設者のジョセフ・ピラテ
ィスは1,900年代前半、「コントロロジー」という考え方で、体を動かす骨や筋
肉を意識し、活用することを提唱しています。目指すのは鍛え抜いた筋肉では
なく、柔らかくしなやかな筋肉であり、しっかり呼吸を意識して脊柱を自由に
動かすこと、筋肉をコントロールすることとしています。


 このように呼吸法は、医学や科学が進歩する前から現代に至るまで、ストレ
スを緩和し、体幹を鍛える健康法の原点といえます。息をゆっくり吐き、静か
に吸う、これを繰り返すことでざわつく心が落ち着き、心身共に健康になって
いくのです。



nice!(21)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

姿勢で鍛える体幹の「安定力」 姿勢、歩き方、トレーニング [健康]

姿勢で鍛える体幹の「安定力」

 肩こりや腰痛、便秘など日々感じる不調は、骨のゆがみによって発症しやす
くなります。それでは、なぜ骨にゆがみが発生してしまうのでしょうか?その
原因は、主に日々の姿勢にあります。だからこそ、自分の力で、姿勢を改善し
体幹の安定力を鍛え、再発を予防することが可能となります。ここでは、体幹
バランスが乱れる原因となる姿勢について掘り下げ、解決方法を探ります。





体幹を鍛える3つのメリット 姿勢、内臓、パワー、チェック



姿勢の乱れがゆがみをつくる


 骨のゆがみの一番の原因は、「姿勢の乱れ」にあります。二足歩行する人間の
骨は、重力を分散させ、一部へ負荷が集中しないようにバランスを取っていま
すが、姿勢が崩れると、一部に大きな負担がかかり、さまざまな不調につなが
っていきます。例えば、頭部が前方に傾いた猫背の状態は、頭部を支える首・
肩の筋肉に負担がかかり、首・肩こりへとつながっていきます。
 また、骨のゆがみは加齢とともに現れてきます。その特徴的なものが脊柱の
椎骨や推看板の変化です。椎骨と椎骨の間にある椎間板は、年齢とともに髄核
に含まれる水分が減り、クッション性が低下していきます。この結果、外から
の圧力によって髄核を取り囲む軟骨である繊維論に亀裂が入りやすくなります。

こうして椎間板が変性して発症リスクが高まるのが、頸椎および腰椎のヘルニ
ア(椎間板ヘルニア)です。

 骨や椎間板は、変形すると修復が難しいとされていますが、正しい姿勢、体
幹バランスで生活していれば、その劣化を最小限に防ぐことができます。




姿勢を支える「脊柱」と「骨盤」


 体幹にある脊柱や骨盤が姿勢を支えていますが、これらは同時に人体の中で
ゆがみやすい部位といえます。日常生活の小さな姿勢の乱れが積み重なって、
脊柱や骨盤がゆがむことで、筋肉が硬直して血流が悪くなり、痛みや不調につ
ながります。

 「見る姿勢」には首や肩こり、「座り姿勢」には腰痛や骨盤のゆばみ、「歩き
方」には膝痛や骨盤のゆがみなどにつながる危険があります。




「脊柱起立筋」「腹横筋」を鍛えて脊柱調整

 脊柱を支える主な筋肉は、脊椎を支える「脊柱起立筋」と、腹圧を維持して
脊椎を補助する「腹横筋」です。これらは、先の述べた抗重力筋に分類されま
す。姿勢が崩れると、脊柱起立筋・腹横筋ともに弛緩します。その結果、
骨盤が善計あるいは後傾し猫背となり、重力で内臓が下がり、お腹がポッコリ
と出た体型になってしまいます。



「骨盤底筋」を鍛えて骨盤調整
 
 骨盤は、脊柱をはじめ、頭・肩・腕の骨など上半身を支える土台となってい
ます。また、骨盤の上に内臓が集まっているため、骨盤の位置が崩れると、猫
背や肩こり、お腹ポッコリ、腰痛などの症状がみられるようになります。骨盤
の正しい位置を把握し、骨盤のゆがみの種類とその症状をみてみましょう。




腰痛になると、なぜコルセットを渡されるの?


 慢性的な腰痛で整形外科を受診すると、痛み止めの成分が入った湿布や塗り
薬とともに、コルセットを渡されることがあります。これは、コルセットを着
けると腹圧が高まり、「伸展モーメント」が働くためといわれています。伸展モ
ーメントとは、体幹のインナーマッスルの機能により腹圧が高まって脊柱の中
の腰椎が伸びる力をいいます。

 伸展モーメントが弱いと、腹部が前に出て、前方にゆるやかなカーブをして
いる腰椎の前弯が増強するため、周辺の筋肉や筋膜に負荷がかかって内外から
の衝撃に弱くなり、腰痛が起こりやすくなります。そのため、腰痛時にコルセ
ットをして伸展モーメントを働かせると、腰椎への負荷が分散され、痛みが軽
減されていきます。

 ただし、痛みが治まってもコルセットをし続けると、自分自身のインナーマ
ッスルの機能が弱くなってしまうので、痛みが軽減したらコルセットを取り、
自身のインナーマッスルがコルセットのように腹圧を高めていけるようになる
ことが大切です。まずは、姿勢を正しく整えることからはじめましょう!

nice!(23)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

体幹を鍛える3つのメリット 姿勢、内臓、パワー、チェック [健康]

体幹を鍛える3つのメリット


 体幹を鍛えるメリットは、主に次のような3点があります。



体幹とは 骨格や主な筋肉




①姿勢を保つ
 体の中心にある脊柱や腹部周辺の筋肉をバランスよく使うことで、体重をし
っかり支え、真っすぐな正しい姿勢を保つことができます。こられの筋肉の力
が弱くなると、脊柱や骨盤がゆがみやすく、首や肩、腰に負担がかかり、体が
疲れやすくなります。




②内臓を活性化する
 体幹には、心臓や肺、胃、肝臓、腎臓、小腸、大腸など、人間の生命活動を
維持する上で重要な臓器が集約されています。こられの臓器は、体幹にある筋
肉などによって支えられ、それぞれの機能を果たしているのです。
 そのため、体幹を鍛えることは、内臓を正しい位置に保持し、内臓の活性化
につながります。体幹の筋肉が緩んだり、体幹の骨がゆがんだりすると、ポッ
コリお腹や便秘、消化不良などが起きやすく、内臓が十分に活動することがで
きなくなります。




③パワーを生み出す
 体幹には、大きな筋肉が集まっています。そのため、大きな力を生み出すこ
とができ、体の動きの原動力になります。腕や足のつけ根部分である体幹を機
能的に動かせば、腕や足などから効率よく力を生み出すことができます。
 トップアスリートの動きをみると、腕や足だけでなく体幹を上手に使ってい
ることが分かります。驚異的な速さも、超人的なパワーも、生み出している源
は体幹なのです。体幹にある大きな筋肉を使えば、カロリー消費や筋力アップ
といった運動の効果も格段に高まります。


 このように、体幹を鍛えることは、姿勢改善や内臓の活性化、体力向上につ
ながり、骨筋力の基礎をつくることになります。




あなたの体幹、弱っていませんか?


 体幹が十分に機能していれば、正しい姿勢、さらには健康を保てます。しか
し、体幹が衰えると、姿勢が崩れ、腰が曲がり、ますます体幹が衰えていきま
す。年を取ると、足腰が弱くなるといいますが、これは体幹が弱った結果とも
いえる状態なのです。




<体幹チェック!!>
 普段、生活していて、次のようなことに心当たりはありませんか?該当する
項目が多いほど、体幹が弱っている可能性があります。ご自身の体幹の状態を
確認してみましょう。



   <体幹チェックリスト>
   ▢お腹がポッコリ出ている
   ▢腰痛がある
   ▢猫背がある
   ▢疲れやすい
   ▢靴下やストッキングを立ったまま履けない
   ▢椅子から立ち上がるときにスッと立ち上がることができない
   ▢電車で立っているときなど、わずかな揺れでもグラつく
   ▢つまずくことが多い
   ▢靴の踵部の減り方の左右差が大きい
   ▢あぐらや横座りを左右同じにできない



nice!(24)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

体幹とは 骨格や主な筋肉 [健康]

骨筋力を上げる要「体幹」


 骨筋力を育て、ゆがみの少ない体になるためには、具体的にどの部位の骨筋
力を育てればいいのでしょうか?今回は、姿勢を支え、体の動きを生み出す軸
である「体幹」に注目して考えてみましょう!





骨を支える筋肉 抗重力筋、骨盤底筋




体幹とは



 サッカー日本代表で活躍する長友選手は、体幹の強さと走力を武器に世界で
活躍し、その体幹トレーニング論が一躍注目されています。また、箱根駅伝で
現在三連覇中の青山学院大学のトレーニングにおいても、体幹強化をいち早く
取り入れたことが、速くて強いチームへと変革を遂げた一因であるといわれて
います。





 では、一体体幹とは何をさす言葉なのでしょうか?体幹とは、簡単に言えば、
体の中心、つまり胴体のことをいいます。体を一本の木として考えてみると、
幹に当たる部分が胴体、枝に当たる部分が腕や足、指などに当たります。

 四足歩行で歩く動物は、前に進むときに主に足の筋肉を使うため、大腿など
の脚部の筋肉が発達していますが、二足歩行の人間は、体のバランスを保つた
めに体の中心である体幹の筋肉が発達しました。




<体幹にある主な骨格>
 体幹には、多くの内臓があるため、体幹の骨はこれらの内臓を収めるための
枠組みとなります。体幹には、体の柱となる脊柱が背側にあるほか、胸骨と除
骨が内臓を収め、骨盤がそれらの受け皿となり、構成されています。





<体幹にある主な筋肉>
 体幹の軸となる脊柱近くにある筋肉には、脊柱起立筋・腹横筋・大腰筋・多
裂筋などがあります。これらの筋肉は比較的体の深部に存在しているので、い
わゆるインナーマッスルとも呼ばれています。




●脊柱起立筋:背骨を支え、体の大きな動きを司る筋肉
 脊柱起立筋は、腸肋筋・最長筋・棘筋の総称で、脊柱を支えている主な筋
肉群です。頭や上体を起こしたり、体の曲げ伸ばしやねじりをしたりなど、脊
柱が大きな動きをするときに働きます。




●腹横筋:腹部のコルセットのような役割を持つ筋肉
 腹横筋は、側腹筋(脇腹)の最深部にあり、腹部の圧力(副厚)を高め、腰
回りと体幹を安定させ、内臓を正しい位置に収める役割があります。呼吸をす
る際にも働きます。




●大腰筋:足の屈折に使われる筋肉
 大腰筋は、胸椎の最下部から大腿のつけ根に伸びる筋肉で、姿勢の保持のほ
か、足を上げるときに働きます。




●多裂筋:脊柱を安定させる筋肉
 多裂筋は、前述した脊柱起立筋の深層部にある細かな筋肉の連なりで、首か
ら腰にかけて脊柱を構成する椎骨を一つ一つつないでいます。多裂筋があるこ
とで、体を滑らかに動かすことができます。

 一方、比較的体表に近い部分にある筋肉には、腹直筋・外腹斜筋などがあり
ます。いわゆる筋力トレーニングで鍛えやすい筋肉です。




●腹直筋:体を前屈させるときの主導筋
 腹直筋は、腹部の前側を縦に覆う筋肉です。主に腹筋運動で鍛えられ、腹直
筋がつくと外側から形状がわかり、いわゆる「シックスバック」と呼ばれます。




●外腹斜筋:腹部の動きを補助する筋肉
 外腹斜筋は、除骨の外側から斜め下へと腹部をぐるりと覆い、腹圧を高める
筋肉です。排便や嘔吐、くしゃみなどを補助します。ウエストのくびれをつく
る筋肉でもあります。




nice!(22)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

骨を支える筋肉 抗重力筋、骨盤底筋 [健康]

骨を支える筋肉


 私たち人間は、四足歩行から二足歩行へと進化した結果、二本の手を自由に
使えるようになりました。その一方、二本の足でバランスを取らなければなら
なくなったため、骨の進化に合わせて、筋肉も変化しました。脊柱が軸になり、
重力を支える背部や胸部、腹部などの筋肉が発達したのです。


骨の成り立ちとゆがみ、脊柱、推看板、骨盤、土踏まず



<立位姿勢を支える筋肉:抗重力筋>
 立っているとき、筋肉はどのような働きをしているのでしょうか?人は誰で
も、地球の重力により下から引っ張られるような力を受けます。このような重
力に対して体を支えるために働く筋肉を「抗重力筋」といいます。抗重力筋は、
地球の重力に負けないように、背部や腹部、大腿、臀部(お尻)など体の前後
に張り巡らされ、互いに緊張と弛緩を繰り返しながら立位姿勢を保っている筋
肉群です。主な抗重力筋は、次の通りです。





 抗重力筋の中でも、特に姿勢保持に働く筋肉は主に背側で、脊柱起立筋やハ
ムストリング(下肢大腿部後面にある筋肉の総称)、ヒラメ筋などがあり、主要
姿勢筋とも呼ばれています。正常立位(立っていること)での重心は、やや前
方になるため、背側の筋肉が緊張状態を持って姿勢を保っています。






<骨盤を支える筋肉:骨盤底筋>
 骨盤の底には、「骨盤底筋」と呼ばれる、膀胱や女性の子宮などの内臓を支え
るハンモック状の筋肉があります。骨盤底筋は、背部や腹部、大腿の筋肉につ
ながる筋肉であるため、骨盤底筋を鍛えることで、これらの筋肉に力が入りや
すくなり、体の軸が安定します。さらに、ウエスト周りが引き締まったり、姿
勢がよくなったり、ヒップアップ効果もあるといわれているので、加齢や出産
などで骨盤底筋が衰えやすい女性にとっては骨盤底筋を鍛えることはよいこと
ばかりです。また、デスクワークが長時間続く方も、骨盤底筋がゆがみがちな
ので注意が必要です。





nice!(24)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。