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妊娠力アップのための「血液」の循環力 [健康]

妊娠力アップのための「血液」の循環力


 私たちの体は、常に血液が循環しています。血液が、脳から手足の末端に至
るまで循環することにより生命活動を維持しています。ここでは、妊娠力向上
の手がかりとなる「血液」の循環力についてみていきましょう。





妊娠力アップのための「栄養素」の循環力




血液は体の“ライフライン”

 血液循環は、私たちの体の生命線です。血液は、個々の細胞や組織に酸素や
栄養素、ホルモンなどを運搬して、不要な二酸化炭素や老廃物を運び出してい
ます。
 一般的に、血液循環の力は、血液量や血液粘度などが関係しています。栄養
不足や貧血などでこの血液量が減少すると、脳は生命を守るために心臓や腎臓
などに血液を優先的に送ろうとします。その結果、生命維持の働きとしては優
先順位が低い卵巣や子宮などへの血流は滞ってしまいます。また、ストレスや
食事などが影響して血液粘度が増すと、血液がドロドロになるため循環が滞っ
てしまいます。




血液循環が悪化すると・・・

 血液循環が悪化すると、次のような影響が現れやすくなります。


<母体への影響>
 卵巣の機能が低下して、卵子を包んでいる卵胞の発育に影響を与えて卵子の
質の低下や排卵障害などにつながります。また、子宮の機能が低下して、子宮
内膜の環境悪化から受精卵が着床しづらくなります。さらに、切迫早産(正期
産と呼ばれる妊娠37~42週未満より前に、子宮の平滑筋収縮が頻回に起こり、
子宮の出口である子宮口が開き、胎児が出てきそうな状態や破水してしまった
状態)や難産につながることもあります。



<胎児への影響>
 胎児は、母体から胎盤を通して酸素や栄養素を取り込んでいるため、母体の
血流が悪化すると酸素や栄養不足に陥り、発育不全や低体重児などにつながり
ます。





毎日の生活で血流アップ

 普段の生活習慣の中で、血液の循環力を向上させるためには、どのような生
活習慣を送ればよいのでしょうか。ポイントを押さえておきましょう。


①入浴・衣類
 入浴は、体の芯まで温めるためにも湯舟につかるようにしましょう。入浴は、
リラックス効果もあるためストレス緩和にもつながります。また、体を締め付
ける衣類は避け、保湿性や発熱性の高い素材のものを着用するなど体が冷えな
い服装を心掛けましょう。



②食事
 栄養素は、血液に乗って全身を巡るため、過剰な糖質やコレステロールなど
の摂取は血液がドロドロになって血流を悪くします。食事は、ビタミンCやビ
タミンE、パントテン酸など血行促進に働く栄養素を意識して摂取し、バラン
スのとれた食生活を心掛けましょう。また、カフェインは、血管を収縮させ、
血流を悪化させるため、控えるようにしましょう。



③運動
 筋肉は、血液を循環させる働きがあります。そのため、運動不足で筋力が低
下すると、血流が悪くなるため、適度な運動を心掛けるようにしましょう。


④ストレス
 ストレスが多い状態は、交感神経が優位になり、血管が収縮し血行不良にな
ります。また、ストレスは白血球の粘着度が増して、血液をドロドロにします。
ストレスをため込まないように上手に発散していきましょう。



⑤睡眠
 夜更かしは、自律神経のバランスを崩して血流を悪くします。精神的に落ち
着く環境をつくり、質のよい睡眠を目指しましょう。



⑥禁煙
 たばこの煙に含まれるニコチンなどは、血管を収縮し血流を悪くします。そ
のため、禁煙はもちろんのこと、喫煙者や喫煙場所にも近づかないようにしま
しょう。




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妊娠力アップのための「栄養素」の循環力 [健康]

妊娠力アップのための「栄養素」の循環力


 食事から取る栄養素は、母体の健康管理のためにも、胎児の成長のためにも
欠かすことができません。では、どのような食生活を送り、栄養素を循環させ
ればよいのでしょうか。妊娠力向上の手がかりとなる「栄養素」の循環力に
ついてみていきましょう。





”着床力”と“育む力”には「3つの性ホルモン」妊娠力アップのための循環力



<食事の基本>
 妊娠力を上げるための食事の基本は、次の通りです。
・1日3食バランスのよい食事を取りましょう
・妊娠高血圧症群予防のため、食塩は控えめにしましょう
・適正体重管理のために、油脂類・糖質は控えめにしましょう
・不足しがちなビタミン・ミネラルを十分に取りましょう
・たばこ・アルコールは、やめましょう
・便秘予防のため、1日1回排便の習慣を付けましょう




<注意が必要な栄養素>
 摂取する上で特に注意が必要な栄養素についてみていきましょう。


●糖質・タンパク質・脂質
 エネルギー源となる糖質やタンパク質、脂質は、少なくても多すぎても注意
が必要です。母体だけでなく胎児のためにも必要なエネルギー量が増えますが、
不足すると低体重児につながり、胎児の発達や発育に影響を及ぼします。
また、生活習慣病などになるリスクも高まるといわれています。
 一方、栄養過多は、巨大児につながり難産になる可能性が高まります。また、
妊娠高血圧症候群や妊娠時糖尿病になると、血液循環が滞って胎児発育不全や
低出生体重児、低酸素症などになり、脳にも影響が現れることがあります。最
悪の場合には胎児が死亡してしまうこともあります。




●鉄
 鉄は、受精卵が着床して育つベッドである子宮内膜をつくる材料になり、子
宮内膜を整えて受精卵の着床力アップに作用します。また、妊娠中に貧血にな
りやすい原因として、妊娠すると血液の細胞成分である赤血球よりも液体成分
である血漿の方が増加して、相対的に血液が希釈されてしまうことや母体より
胎児に優先的に血液が送られることが考えられます。そのため、赤血球の材料
である鉄を多く含む肉や卵黄、大豆製品などの積極的な摂取を心掛けることが
大切です。




●葉酸
 葉酸は、胎児の脳の発育を助けたり、神経組織をつくる働きがあります。妊
娠初期に不足すると、神経管閉塞障害(脳や脊髄がうまくつくられない先天障
害)の発症リスクが高まります。そのため、葉酸を多く含む野菜や果物、豆類
などを意識して摂取するようにしましょう。
 また、葉酸は、ビタミンB₁₂と協力し合って造血作用に働くため、ビタミン
B₁₂を多く含む肉や卵などと一緒に取りましょう。


 新しい生命を授かり育むためには、摂取する栄養素に注意し循環させること
が必要となります。
 
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”着床力”と“育む力”には「3つの性ホルモン」妊娠力アップのための循環力 [健康]

”着床力”と“育む力”には「3つの性ホルモン」

 受精卵の着床や着床後に受精卵を育む力には、性ホルモンが関係しています。









胎児特有の血流路「胎児循環」 血液循環のルート



<女性ホルモン:エストロゲン、プロゲステロン>
 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあります。エストロゲ
ンは、受精卵が着床して育つベッドである子宮内膜の増殖などに、プロゲステ
ロンは、受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態に導き、妊娠の継続などに関与
しています。
 エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は、増減していて28日前後のサイク
ル(性周期)を繰り返しています。
 月経がはじまると、卵巣の中では卵胞(卵子と包んでいる袋)が成熟を開始し、
自らエストロゲンの分泌を開始します。エストロゲンは、らせん動脈などの血管
や子宮膜がある機能層を肥厚・増殖させて子宮内膜を厚くし着床を促します。

 増殖期の間、成熟を開始した卵胞は、1個だけが完全に成熟し、性周期の14
日ごろに卵胞の壁が破れ、卵子が排出されます(排卵)。そして、排卵後、卵胞
は黄体となり、プロゲステロンを分泌します。プロゲステロンは、子宮内膜の
子宮腺を増加させて分泌液を増やし、それと同時に子宮内にあるらせん動脈な
どの血液量を増加させます。血液量が増加すると、子宮内膜の血液循環が促進
し、十分な栄養素を子宮内膜に循環させて子宮内膜をふわふわで厚くした状態
を維持させるように作用します。

 妊娠が成立しなかった場合は、この2つのホルモンの分泌が減少することで、
子宮内膜が脱落して血液とともに体外へ排出されます(月経)。妊娠が成立した
場合は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌は上昇し、妊娠の継続、つまり
受精卵を育む力を維持していきます。

 このように、子宮内膜の厚さ・状態は、受精卵の着床力と受精卵を育む力に
大きく関係しています。受精卵が着床するベッドである子宮内膜は、エストロ
ゲンの働きによって厚くなりますが、排卵後にプロゲステロンの分泌量が増え
ることで子宮内膜の厚みを維持し、受精卵を育んでいきます。




<男性ホルモン:テストテロン>
 男性ホルモンには、テストテロンがあり、精子の質に重要で、受精卵の着
床力に大きく関係しています。
 テストテロンは、ライディッヒ細胞と呼ばれる精巣の精細管の付近から分
泌され、精子形成促進や男性機能の増進、勢力増強、性欲亢進などに関与して
います。テストテロンの分泌量は、女性ホルモンのような並みの変動はありま
せんが夜眠っている間に分泌されて昼の活動で消費されていきます。




<3つのホルモンの分泌向上のためには>
 エストロゲンとプロゲステロンの分泌を向上させるためには、良質な睡眠や
栄養バランスが整った食生活、冷え対策などを心掛けることです。また、テス
トテロンの分泌を向上させるためには、亜鉛の摂取や睡眠時間の確保、筋力
トレーニングなどを心掛けることです。
 そして、これら3つのホルモンの分泌向上に必要な共通の生活習慣は、自律
神経を整えることです。自律神経が乱れると、ホルモン分泌の司令塔である視
床下部に影響を及ぼし、ホルモン系統に乱れが生じてしまいます。
すると、卵子と精子の質や子宮内膜の状態が低下し、受精卵が子宮内膜に着床
しづらくなってしまいます。

 自律神経を乱す主な原因としては、3つあります。1つ目は、過度なストレス
です。過度なストレスを感じると、自律神経を司る視床下部はストレスを生命
維持に関与する大問題と捉え、ホルモンの分泌が妨げられてしまいます。2つ目
は、睡眠不足です。睡眠不足になると、脳が疲労し視床下部が正常なホルモン
のコントロールをできなくなってしまいます。3つ目は、冷えです。ホルモンは、
血液循環の流れに乗って全身へ巡るので、冷えによって血流が悪化するとホル
モンの循環がうまくいきません。
 自律神経を整えるためには、ストレスの発散や十分な睡眠の確保、冷えの解
消などを心掛けることが大切となります。


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胎児特有の血流路「胎児循環」 血液循環のルート [健康]

胎児特有の血流路「胎児循環」




新たに形成される「羊水・卵膜」「臍帯」「胎盤」



 胎児は、肺が呼吸器として機能していないため、胎児特有の血流路が存在し
ています。これを胎児循環といいます。胎児循環の大きな特徴は、心臓から肺
へと向かうはずの血液が流れないことにあります。

 ではまず、成人の血液循環を把握しておきましょう。血液循環には、大きく
分けて2つのルートがあります。右心室から肺動脈を経て、肺でガス交換をし
た後、肺静脈から左心房に戻る血液循環と、左心室から大動脈を経て、全身の
毛細血管と細胞の間で物質交換をした後、下大静脈と上大静脈から右心房に戻
る血液循環があります。
 では、次に胎児循環についてみていきましょう。




<胎児循環>
 胎児の血液循環には、「静脈管」「卵円孔」「動脈管」など特殊な循環経路が存
在します。したがって、成人の血液循環とは大きく異なります。
 肺呼吸をしていない胎児は、胎盤でガス交換を行います。胎盤から酸素や栄
養素をもらった血液は臍静脈を経て、主に「静脈管」を通って下大静脈へと流
れます。この下大静脈には、胎盤から流れた血液と下半身から戻ってきた血液
が混ざり右心房へと流れます。右心房と左心房との間には胎児特有の「卵円孔」
と呼ばれる迂回路があるため、胎児の血液は右心房→卵円孔→左心房へと流れ
ます。そこから、左心室→上行大動脈へと流れた後、頭部・上半身に循環する
経路と腹大動脈から下半身に循環する経路があります。

 頭部・上半身から戻った血液は、右心房→右心室を経ますが、ほとんど肺に
流れずに、「動脈管」を通って、一部は腎臓や下肢など下大静脈へ、残りは臍
動脈を経て胎盤へ流れ込みます。

 ところが、出生の瞬間、酸素を受け取る場所は、胎盤から肺へと移るため、
新生児が「オギャー」という産声とともに肺を精一杯膨らませて自らの肺で酸
素と二酸化炭素のガス交換を行い、自発呼吸を開始します。そして、出生後の
肺呼吸とともに胎児特有の迂回路である静脈管、卵円孔、動脈管は、自然と閉
塞していきます。




<胎児循環>
●胎盤から胎児へのルート
胎盤→臍静脈→静脈管→下大静脈→右心房→卵円孔→左心房→左心室→上行大動脈→全身


●胎児から胎盤へのルート
頭部・上半身→右心房→右心室→動脈管→腹大動脈→臍動脈→胎盤
                  (下半身)


 このように、子宮の中では驚異的な変化が次々と起こり、胎児を育んでいきま
す。
  


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新たに形成される「羊水・卵膜」「臍帯」「胎盤」 [健康]

新たに形成される「羊水・卵膜」「臍帯」「胎盤」


 胎児が成長していく過程で、子宮の中で羊水や卵膜、臍帯、胎盤という胎児
付属物がつくり出されます。では、これらの胎児付属物の役割についてみてい
きましょう。





子宮の「伸縮力」 母体と胎児の変化




<胎児は羊水>
 胎児は、子宮内を満たしている羊水に包まれて成長していきます。羊水の大
部分は水分で、そのほかは胎児の皮膚細胞や胎脂(胎児の皮膚の脂肪)などが
浮遊しています。また、ホルモンなども含まれています。
 羊水は、妊娠初期には羊膜という胎児を取り囲む卵膜の一番内側の膜や胎児
の皮膚などから産生されたり、母体血液から浸出されます。妊娠中期以降は、
胎児の気道からの産生が増え、さらに胎児尿が羊水の大部分を占めるようにな
ります。
 胎児尿とは、胎児が羊水を飲み込み、肺や小腸などから吸収し、腎臓でろ過
して排出したものです。このときろ過してできた老廃物は母体へ送られるため、
胎児尿には老廃物が含まれません。
 では、羊水はどのような役割を担っているのでしょうか。羊水には、外から
の衝撃緩衝や抗菌、体温保持などの役割があるほか、胎児が羊水の中で自由に
浮遊し体を動かすことで筋肉や骨の発達を促進したり、胎児が羊水を飲むこと
で胎児呼吸様運動(肺呼吸の練習)になります。さらに、陣痛がはじまると羊
水が胎児の通り道となる子宮口を広げ、潤滑油としてスムーズな出産状態をつ
くります。




<母体と胎児をつなぐ臍帯>
 胎児の腹部から伸びた臍帯(へその緒)は、長さ40~60cmのひも状で、胎盤
とつながっています。臍帯の中には、1本の臍静脈と2本の臍動脈が通っていま
す。臍静脈は母体から胎児へ生育に必要な栄養素や酸素を運搬し、臍動脈は胎児
から老廃物や二酸化炭素を受け取り、胎盤に運んでいます。
 心臓から出る血管を動脈、心臓に入る血管を静脈といいます。また、酸素を豊
富に含む血液を動脈血、酸素の少ない(二酸化炭素の多い)血液を静脈血といい
ます。しかし、臍動脈は胎児から胎盤へ二酸化炭素を多く含む静脈血を運んでい
ますが、胎児の心臓から出るので“動脈”、臍静脈は胎盤から胎児の心臓へ酸素
を多く含む動脈血を運んでいますが、胎児への心臓に入るので“静脈”の名称が付い
ています。





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