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2.「味わう」という能力の不思議 (3)脳がだまされる?!味覚を変える物質の不思議 [健康]

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 ある物質を食べたことによる影響で、別の食べ物の本来の味が弱くなったり、
別の味に変化することがあります。このような、味覚を変える物質を「味覚修飾
物質」といいます。これは、味物質の構造を変えるのではなく、味細胞の受
容体に作用して、一時的に味覚機能を変える働きをします。このような味覚修
飾物質の不思議についてみていきましょう。



2.「味わう」という能力の不思議 (2)基本味以外の味






<酸味を甘味に変える物質:ミラクリン>
 酸っぱいはずのレモンを口に含んだらオレンジのように甘くなったり、お酢
をなめたら砂糖水のように甘くなったりするように、味覚をだます木の実があ
ります。この木の実の果肉を噛み潰し2~3分間口の中に含むと、レモンやお酢、
梅干しなどの本来酸っぱく感じるはずのものが甘い味に変わってしまいます。
このように奇跡ともいえるような働きをすることから、この木の実はミラクル
フルーツと呼ばれています。

 ミラクルフルーツが酸味を甘味に変えるメカニズムには、「ミラクリン」とい
うタンパク質が重要な働きをします。ミラクリンは酸味を甘味に変化させるの
ではなく、舌が酸味を甘味として認識させさる作用をします。

 味覚は、舌にある味蕾の味細胞によって感じ取ります。味蕾には、それぞれ
の味覚を感じる受容体があり、通常酸味は、酸味を感じる受容体に結合するの
ですが、酸味の物質(H⁺:水素イオン)が口の中でミラクリンと結合すると、
物質の形が変わり、強制的に酸味の物質を甘味受容体に結合させるようになり
ます。これにより、脳に甘いという刺激が伝達され、酸っぱい物を甘いと感じ
るといわれています。
 ただし、ミラクリンは酸味を感じる受容体を塞いだり、麻痺させるものでは
ないため、多少の酸味は感じます。また、味の感じ方を変化させているだけの
物なので、食べた物の成分が変わるわけではありません。このことから、酸っ
ぱい物を食べ過ぎると胃を悪くしたりするので気を付ける必要があります。






<甘味を抑える物質:ギムネマ酸>
 甘味をしばらく抑える健康茶として販売されているお茶に、「ギムネマ茶」と
いう物があります。これに含まれるギムネマ酸が小腸の粘膜からの糖の吸収を
妨げる働きをするため、糖分を摂取してもエネルギーにならず、血糖も上昇し
ないのでダイエットや糖尿病に有効であるといわれています。

 このギムネマ茶を30秒から1分程度口の中に含んだままにすると、そのあと
しばらくの間、甘味が全く感じられないという不思議な現象が起こります。こ
れは、ギムネマ茶に含まれるギムネマ酸が口腔内の味細胞に存在する甘味受容
体に強く結合し、糖などの甘味物質の結合を阻害することにより起こります。

ギムネマ酸は、砂糖などのさまざまな甘味は一様に阻害しますが、そのほかの
味には影響を及ぼしません。





<オレンジジュースをまずくする物質:ラウレス硫酸ナトリウム>
 歯磨きをした後にオレンジジュースを飲むとまずく感じることがあります。
これは、歯磨き粉に含まれるラウレス硫酸ナトリウムという界面活性剤の作用
によるものです。ラウレス硫酸ナトリウムは、歯磨き粉の泡立ちをよくしたり、
爽快感を感じやすくしたりするために、ほとんどの歯磨き粉に使用されていま
す。


 このラウレス硫酸ナトリウムは荷が無を増長し、甘味を感じにくくするという
特徴があります。つまり、歯磨き粉を使って磨いた後は、甘味や酸味がや
や弱まるとともに苦味が強くなるため、本来のジュースのアジト異なるまずい味
に変化してしまうのです。






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