食欲が減っていませんか？　胃腸、肝臓の老化

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食欲が減っていませんか？　胃腸、肝臓の老化　[健康] [編集]

食欲が減っていませんか？　胃腸、肝臓の老化

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・食欲が減っていませんか？　胃腸、肝臓の老化

高齢になると「食べたい」という欲求や空腹感が弱くなります。
それは、食べた物が消化されて胃から十二指腸へと移動する
までにかかる時間と深い関係があります。

成人がおおむね4時間半で胃が空っぽになるのに対し、
70歳以上では６～１６時間もかかることがあります。

なぜ、このように時間がかかってしまうのでしょうか。
それは、消化・吸収の老化に原因があります。

咀嚼機能の低下

咀嚼とは、食べ物を摂取して粉砕し、
唾液と混ぜ合わせ、柔らかくすりつぶすことです。

年とともに歯の老化やあごの力が衰えて、
十分に噛むことが難しくなります。

消化液の分泌低下

胃では胃液、十二指腸では胆汁や
膵液が分泌されます。
胃液は一日に約１．５～２．５ℓも
分泌されますが、加齢とともに減少します。

吸収能力の低下

吸収するのは小腸の役割です。
しかし、加齢に伴い小腸粘膜の上皮細胞の機能や、
粘膜下の毛細血管網の密度や血流が低下して、
全体的な吸収能力が低下します。

代謝機能の低下

代謝機能を司っているのは肝臓です。
加齢に伴い、肝臓機能が低下すると、
エネルギー代謝、老廃物の解毒・代謝、
たんぱく質合成など、身体的機能維持に
支障が出てきます。

そのほかに、消化菅の運動機能の低下や腸内細菌の老化
も考えられます。

●消化管の運動機能の低下

食道、胃、小腸、大腸は「蠕動運動」という動きで食べ物を
混ぜ合わせたり送り出したりしています。

この運動機能が年齢とともに低下し、食べ物が逆流すると、
胃もたれ、胸やけが起こり、大腸の場合は便秘を引き起こして
しまいます。

●腸内細菌の老化

腸内細菌は、消化菅全体では約100兆～120兆個、その種類は
300～400種類、重さにすると1～1.5kgもあるといわれています。

これら細菌も老化にともなう変化がります。

１．口腔内細菌の変化

加齢に伴う歯周病の増加と、唾液内の抗菌物質の低下により、
口腔内に細菌が増殖します。

この細菌は腸内細菌群に影響を及ぼし、高齢者の肺炎や
気管支炎の原因にもなります。

２．胃酸の減少

胃酸はPH２程度の強い酸で、口から入った細菌の大部分を殺菌します。
加齢と共に胃酸分泌が低下すると、歯が胃の中に繁殖するようになり
腸内細菌のバランスを崩します。

３．腸内細菌の変化

腸管内で悪玉菌が繁殖し、ビフィズス菌などの善玉菌の割合が減退します。

悪玉菌が増えると、腸管内に毒素が発生し、食べ物の消化吸収が
抑えられる原因になります。

また、腸管の免疫力が低下するので、がんやポリープが
できやすくなります。