5.心を高める「精神力」 [健康]
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自然治癒力を活かすためには、精神面を整えることも大切です。心のあり方
は、けがや病気などの外敵な治癒力にも大きな影響を与えています。
(1)呼吸と治癒力の関係
呼吸は、ただ単に体に酸素を取り入れるという単純な作用だけではなく、心
の状態にもかかわりがあります。呼吸は、意識せずにいてもきちんと行えるも
のであると同時に、意識してコントロールできるものでもあります。心身医学
や精神神経免疫学の臨床上の実践において、呼吸を自発的にコントロールする
ことの重要性も注目されています。つまり、呼吸によって意識の状態を変える
ことは、呼吸が「心の状態」を大きく左右するものであるということは分かり
ます。
心の状態というのは、呼吸に大きく現れます。焦っているときやイライラし
ているときは浅く速い呼吸、心が穏やかなときは深くゆっくりな呼吸というよ
うに、心の状態によって呼吸も変わります。また、呼吸・生命活動・心の状態
は深いかかわりがあると考えられており、自律神経のバランスや内臓の働きを
整える役割があるといわれていることから、呼吸は自然治癒力を活かす基本条
件ともいえます。
(2)“笑い”は免疫力を上げる?
「笑い」はストレスの解消と免疫力のアップにつながるといわれています。
細菌やウイルスなどの異物から体を守るNK細胞は、笑いによって数が増え、
働きが活性化するといわれています。
また、笑うことによって脳内の「エンドルフィン」「ドーパミン」「セロトニ
ン」などの神経伝達物質が増え、ストレス状態を解消しプラス思考になるとい
われています。エンドルフィンにはアルファ(α)・ベータ(β)・ガンマ(γ)の
3つがあり、その中でもβ-エンドルフィンは、苦痛を取り除く時に最も多く
分泌されます。また、物質の構造が麻薬のモルヒネと似ているため、「脳内モル
ヒネ」とも呼ばれており、鎮痛作用もあるといわれています。
ドーパミンは、やる気モチベーションの維持にかかわる神経伝達物質であ
り、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を抑え、ストレスや憂う
つな気分から開放する働きがあるといわれています。
セロトニンは、心を安定した状態に保ち、穏やかさを生み出してくれる神経
伝達物質といわれています。セロトニンが分泌されるとストレスから解放され、
不足すると睡眠障害などに悩まされることになります。
(3)信じていれば効果あり?プラシーボ効果
プラシーボ効果とは「思い込み」が身体に影響を及ぼすことをいいます。薬
効成分を含まない偽薬の服用、思わせぶりに出された砂糖水の飲用、あるいは
切り傷を少しつけただけの偽手術、患者に対する医師や看護師の自信に満ちた
親密な態度など、効果を示すはずがないと考えられる行為によっても、時にそ
れを受けた人が身体的あるいは精神的変化を起こすことが広く知られています。
この「効かないはずのものが効いた」という、一般に広く認められるものの科
学的には説明不可能な治癒現象を一つの概念として共有するために、「説明不可
能性そのもの」に対して与えられた名称がプラシーボ効果です。
現在では、偽薬や偽治療そのものに薬理学的な効果はなく、それらを用いた
治療行為の周辺事象の全てが、人間の心身にポジティブな影響を及ぼすものだ
と考えられています。その詳細な解明は未だにされていませんが、心理的要因
が身体に影響を及ぼすということは、注目すべき現象といえます。
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自然治癒力を活かすためには、精神面を整えることも大切です。心のあり方
は、けがや病気などの外敵な治癒力にも大きな影響を与えています。
(1)呼吸と治癒力の関係
呼吸は、ただ単に体に酸素を取り入れるという単純な作用だけではなく、心
の状態にもかかわりがあります。呼吸は、意識せずにいてもきちんと行えるも
のであると同時に、意識してコントロールできるものでもあります。心身医学
や精神神経免疫学の臨床上の実践において、呼吸を自発的にコントロールする
ことの重要性も注目されています。つまり、呼吸によって意識の状態を変える
ことは、呼吸が「心の状態」を大きく左右するものであるということは分かり
ます。
心の状態というのは、呼吸に大きく現れます。焦っているときやイライラし
ているときは浅く速い呼吸、心が穏やかなときは深くゆっくりな呼吸というよ
うに、心の状態によって呼吸も変わります。また、呼吸・生命活動・心の状態
は深いかかわりがあると考えられており、自律神経のバランスや内臓の働きを
整える役割があるといわれていることから、呼吸は自然治癒力を活かす基本条
件ともいえます。
(2)“笑い”は免疫力を上げる?
「笑い」はストレスの解消と免疫力のアップにつながるといわれています。
細菌やウイルスなどの異物から体を守るNK細胞は、笑いによって数が増え、
働きが活性化するといわれています。
また、笑うことによって脳内の「エンドルフィン」「ドーパミン」「セロトニ
ン」などの神経伝達物質が増え、ストレス状態を解消しプラス思考になるとい
われています。エンドルフィンにはアルファ(α)・ベータ(β)・ガンマ(γ)の
3つがあり、その中でもβ-エンドルフィンは、苦痛を取り除く時に最も多く
分泌されます。また、物質の構造が麻薬のモルヒネと似ているため、「脳内モル
ヒネ」とも呼ばれており、鎮痛作用もあるといわれています。
ドーパミンは、やる気モチベーションの維持にかかわる神経伝達物質であ
り、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を抑え、ストレスや憂う
つな気分から開放する働きがあるといわれています。
セロトニンは、心を安定した状態に保ち、穏やかさを生み出してくれる神経
伝達物質といわれています。セロトニンが分泌されるとストレスから解放され、
不足すると睡眠障害などに悩まされることになります。
(3)信じていれば効果あり?プラシーボ効果
プラシーボ効果とは「思い込み」が身体に影響を及ぼすことをいいます。薬
効成分を含まない偽薬の服用、思わせぶりに出された砂糖水の飲用、あるいは
切り傷を少しつけただけの偽手術、患者に対する医師や看護師の自信に満ちた
親密な態度など、効果を示すはずがないと考えられる行為によっても、時にそ
れを受けた人が身体的あるいは精神的変化を起こすことが広く知られています。
この「効かないはずのものが効いた」という、一般に広く認められるものの科
学的には説明不可能な治癒現象を一つの概念として共有するために、「説明不可
能性そのもの」に対して与えられた名称がプラシーボ効果です。
現在では、偽薬や偽治療そのものに薬理学的な効果はなく、それらを用いた
治療行為の周辺事象の全てが、人間の心身にポジティブな影響を及ぼすものだ
と考えられています。その詳細な解明は未だにされていませんが、心理的要因
が身体に影響を及ぼすということは、注目すべき現象といえます。
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