SSブログ

2.「視覚」のメカニズム (3)明るさの感知「杆体細胞」・色の感知「錐体細胞」 [健康]

スポンサーリンク




(3)明るさの感知「杆体細胞」・色の感知「錐体細胞」



 光の刺激を受け止り、脳へ送る電気信号に変換する器官が網膜です。網膜は3
層構造をとっており、網膜に届いた光の刺激は、まず「神経節細胞」や「双極
細胞」などの層を透過し、3層目に届きます。3層目には、「杆体細胞」と「錐
体細胞」という2種類の視細胞がずらりと並んでおり、そこで信号へと変換さ
れます。



 視細胞(杆体細胞・錐体細胞)により電気信号に変換されると、その信号は、
光の入る向きとは反対に、1つ手前の層にある双極細胞、さらに網膜と脳をつな
ぐ層の神経節細胞へと送られ、脳に伝わっていきます。その後、信号は脳の大
脳皮質の後頭部にある視覚野に送られ、色や形を視覚します。

 視細胞は、一つ一つの細胞が受けた光の刺激に応じて、それぞれ信号を出し
ています。つまり、網膜に写った像が細かい点に分解され、点ごとに光が脳へ
と伝わるしくみです。そして、脳で再び点が集結し、目にしている外界が見え
るようになるのです。

 この過程は、単純に信号が脳へ移動しているのではなく、さまざまなしくみ
によって信号は複雑に選択、あるいは集約されています。こうした過程を瞬時
に行い視覚は生み出されているのです。



●杆体細胞

 杆体細胞は、明るさを感じる細胞であり、網膜全体に約1億2000万~1億3000
万個存在しています。明るさの感度は錐体細胞の数百倍といわれており、暗い
ところでも働くことが大切です。この働きにかかわるのが、杆体細胞に含まれ
るロドプシンという物質です。ロドプシンは、光が当たると分解されて電気信
号に変わり、明るさの情報を脳へ届けます。そして、光を失うと体内で再合成
され、光の刺激を受け取るための準備をします。







●錐体細胞

 錐体細胞は、色の違いをとらえる細胞です。網膜の中心部には、「中心窩」と
いうくぼみがありこの周辺を「黄斑」といいますが、この黄斑付近に約600~
700万個集中して存在しています。さらに、錐体細胞には長波長光(赤く見える
光)、中波長光(緑に見える光)、短波長光(青く見える光)に反応する3つの
種類の細胞があり、それぞれL錐体細胞(long)、M錐体細胞(middle)、S錐
体細胞(short)と呼ばれています。各細胞の興奮度合いを比べることで色の違
いをとらえています。錐体細胞は明るさへの感度が低いため、私たちは、暗い
ところでは色の判断が曖昧になるのです。










スポンサーリンク



nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。