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2.「味わう」という能力の不思議 (1)「五味」にも役割がある? [健康]

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 私たちが食べ物を食べたときに感じる「おいしさ」「味」は、味蕾で感じる基
本味をはじめ、ほかにもさまざまな要素が合わさって感知されます。ここから
は、食べたときに起こる味覚の不思議についてみていきましょう。



(1)「五味」にも役割がある?

 私たちが感じる味には5つの基本的な種類があります。それは、甘味、うま
味、塩味、酸味、苦味です。これらの味は、それぞれ重要な役割を担っていま
す。






①甘味
 甘味を感じているときは、体に必要なエネルギー源を摂取しているという信
号を送っていると体は解釈します。
 体にとって重要なエネルギー源となる食べ物は、糖質です。そして、直接エ
ネルギーとなるものはブドウ糖(グルコース)であり、これが血液中に入ると
血糖となります。エネルギー源は常に体が必要としているため、体はこのよう
な物質を味わったときは、おいしいという快感を生じることによって摂取を促
進します。こうしたしくみは、もともと遺伝子情報に組み込まれているので、
生まれてすぐの赤ちゃんの口に砂糖溶液を入れることにこやかな表情とともにそ
れを摂取しようとすることも知られています。

 ただし、私たちが甘味を感じるものが、必ずしもエネルギー源になるものと
は限りません。例えば、人工甘味料として利用される「アスパルテーム」は砂
糖の約200倍の甘さを感じるといわれていますが、ほとんど消化することがで
きないため、エネルギー源になりません。






②うま味
 うま味は、主にアミノ酸であるグルタミン酸やアスパラギン酸、核酸を構成
する物質であるイノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸などの分子を検出しま
す。これらの分子は肉や魚のタンパク質に多く含まれているため、うま味を感
じることでタンパク質を摂取しているという情報を脳へ伝えます。また、うま
味の感覚によって生命活動に必要なタンパク質と糖質を識別しているといわれ
ています。





③塩味
 塩味はナトリウムイオンを感知することで感じられます。私たちの体は一定
量のミネラルを必要とするので、食べた物の中に適度な濃度の塩分を含むかど
うかを感知しています。また、体液の塩分濃度に等しい1%前後の食べ物は、強
い快感を感じるといわれています。





④酸味
 酸味は、本来私たちにとって有害な分子を検出し、警告する役割を担う感覚
です。この酸味は、水素イオンを感知することで感じられます。食品が微生物
によって分解され、その過程で酸の分子がつくられることにより酸味が生じま
す。





⑤苦味
 苦味も酸味と同様に、私たちにとって有害な分子を検出し、体にとって毒物
であるという警告をする役割を担う感覚です。

 自然界には、植物に含まれるアルカロイド類などの苦みのあるものが多く、
猛毒として知られるストリキニーネなどがあります。苦味を感じる細胞は、そ
れらの物質に含まれる毒分子の検出を一手に引き受け、どの分子を検出したと
きも「苦い」という信号を脳へ送ります。しかし、人類は味覚によって危険な
食べ物を感知しながら、こうした経験と知識によって毒物を避けるように進化
した。その例として、コーヒーに含まれるカフェインやお茶に含まれるカテキ
ンなどのさまざまな苦味成分があります。







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