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1.「味覚のメカニズム」 (3)「味覚とおいしさ」を感じる脳のしくみ [健康]

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 口の中に取り込まれた食べ物が、味物質やイオンの形で味蕾内に味細胞にあ
る受容体に結合すると、その情報が神経を介して脳に伝えられて、味の質や強
さの分析が行われます。また、それに連動して「おいしい」や「まずい」など
の感覚もこの時に判断されます。このような味神経を介する情報が、脳内を通
過する経路を「味覚伝導路」といいます。



<味蕾から脳への経路>
 味細胞で味物質を感知すると、そこから得た情報は、味覚神経である顔面神
経、舌咽神経、迷走神経を通って伝導されます。その後、脳幹下部にある「延髄」
の「孤束核」という部位に伝わり、塩味や甘味などの味の情報が引き継がれま
す。その後、脳幹上部にある視床を経て、大脳皮質の一次味覚野に送られ、そ
こで味の強さや質が分析されます。さらに、大脳皮質の二次味覚野で、嗅覚や
触覚からの風味や食感などの情報と組み合わされます。この情報伝達の流れに
より、私たちが食べ物を食べたときに感じる食べ物のイメージが形成されます。

 また、扁桃体、視床下部にも味覚の情報は送られます。偏桃体では、食べて
いる物が好きか嫌いか、快・不快といった「情動」の情報が判断され、視床下
部では、食欲を司るホルモンが分泌されるなどの現象が起こります。また、海
馬では、味の記憶が形成されます。

 大脳皮質まで情報伝達を行わずに、延髄の孤束核で「反射的な反応」が起こ
る場合もあります。例えば、酸っぱい物・苦い物を食べたときは、顔をしかめ
る顔面表情変化、唾液や消化液の分泌などの現象がこの段階で起きたりします。

 つまり、味の基本的な選別と反射的な反応は、延髄を含む脳幹部分で生じる
ため、たとえ大脳に障害があったとしても起こるということが分かります。






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