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(4)臓器の再生に大きく影響する血管新生 [健康]

 血管は、自分自身を修復するだけでなく、ほかの臓器の自然治癒にも積極的
に関与しています。体の一部や臓器が損傷されたとき、血管も当然損傷されま
すが、細胞は常に栄養素や酸素の供給を求めているため、損傷した血管を再生
する必要があります。このように、既存の血管から新たな血管枝が分岐して血
管網を構築することを血管新生といいます。また、生命の発生から個体を形成
していく過程で、既存の血管がないところに、新たな血管網が形成されること
を脈管形成といいます。
 血管新生には、「生理的な血管新生」と「病的な血管新生」があります。例え
ば、生理的な血管新生は胎児の血管形成時や体の成長時に、病的な血管新生は、
けがによる組織の修復時や網膜症による虚血、関節リウマチによる炎症、がん
細胞が増殖し続けるときなどにつくり出されます。がんについては、このしく
みを逆手にとって血管新生を阻害する抗がん剤として利用する方法があります。






<血管新生のしくみ>
 血管新生の形成には、いくつかの段階があります。まず、血管新生促進因子
が産生されることが血管新生形成の引き金となります。血管新生促進因子には、
血管の内側を覆う血管内皮細胞を増殖させ、血管形成を促す働きをもつものが
多く、その中でも最も強力な因子として知られているのが、血管内皮増殖因子
(VEGF)といわれるものです。
 血中のVEGFは、血管内皮細胞の受容体(VEGFR)に作用すると、血管内
皮細胞はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と呼ばれる物資を分泌しま
す。MMPは、血管の基底膜を分解することで、血管壁の細胞間の隙間を広げま
す。そこに内皮細胞が増殖することにより新しい管腔ができ、その周囲に周皮
細胞が発生することで安定した血管となります。




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