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3.「色・明るさ」による心理的効果 (2)「色」による変化 ●情緒感情(表現感情) [健康]

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 情緒感情では、その人の嗜好(色の好き嫌い)や、育った国や文化によって
影響を受けるため、色に対する心理的影響は個々人で大きく異なります。
 例えば、各国における「高貴な色」の違いもその1つです。日本では、高貴
な色は「紫」のイメージがありますが、これは昔、聖徳太子が「冠位十二階」
という階級分けで、最高位の色を紫としたことが起源とされています。しかし、
イギリスでは、王室のイメージカラーであるロイヤルブルーの「青」が高貴な
色とされます。
 そのほか、色による情緒感情は性別や年齢によっても左右されます。









<色への反応は進化の過程で獲得した?>
 一般的に、緑や青はリラックス効果があり、落ち着く色といわれています。
進化の過程で、初期の哺乳類の生活の場は、地上ではなく主に樹上でした。そ
のため、哺乳類の色覚は、最初が緑、次に緑の間から見える空の色を識別する
ために青、次に木の実を探しやすいように赤という順で獲得したという説があ
ります。

 そして、このとき、緑や青は生活の場の色です。地上で肉食獣に追われて見
上げた目の先には、青い空と緑の葉が茂る居住があり、安心できる場所の色で
あり、寝る、食べる空間の色であると考えれば、緑や青から弛緩反応が生じ、
落ち着くと感じても不思議ではありません。人間の進化の過程で、生き残るた
めに獲得してきた色への反応ではないかといわれています。



<赤と青の光に対する人間の反応>
 近年の研究において、赤い光の下では血圧が上昇し、脈拍が上がるなどの反
応が起きて攻撃的な状態になり、青い光の下ではその反対に、血圧の降下や脈
拍の安定が起きて平静な状態になるという報告があります。
 そのため、青い光が罪を犯すエネルギーの暴走を抑制させてくれると考えら
れるようになり、日本では、踏切や高速道路の休憩エリアのゴミ置き場、住宅
外の道路などに青い照明が設置される動きが広まっています。

 また、JR東日本では、山手線全駅に自殺防止対策の1つとして青い照明の設
置を決定しています。「青色照明が持つといわれる人の精神状態を穏やかにする
効果」に期待しており、落書きなどの迷惑行為の防止も目的としています。ま
だ、科学的証明をするには研究が必要ですが、今後もさまざまな場面で、色に
よる心理的効果が応用されていくと考えられます。





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