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2.外から高める「防御力」

2.外から高める「防御力」


 私たちの体は、異物を体内に侵入しないようにするための防御力を全身(細
胞、組織、気管等)にもっており、それぞれが独自の防御力によって体を守っ
ています。本章では、体の中のさまざな防御力についてみていきましょう。



<目の防御力>
 目の表面は、涙で覆われていることによって空気中の刺激から守られていま
す。涙は、上まぶたにある涙腺や結膜から分泌されて目頭にある涙点という穴
から排出されます。細菌やウイルスが目に入ってもこの循環によって目の外に
排出されます。涙は、さまざまな働きをする3つの異なる成分の層が重なって
目を守っています。角膜に接しているのが「ムチン層」で涙を目の表面にとど
める働きをしています。そして一番外側にあるのが「油層」で、涙が蒸発する
のをふたのようにして防ぐ働きをしています。
 目の表面は、角膜上皮という代謝のよい細胞でできており、次々に新しい細
胞に入れ替わっています。細菌やウイルスが涙の防御をすり抜けて細胞に侵入
しても、すぐに古い細胞とともに涙と一緒に排出されます。



<鼻の防御力>
 人間は、基本的に鼻から空気を取り入れますが、もし空気中の体によくない
もの(異物)が侵入すると、鼻の防御力が働きます。鼻は細菌やウイルスなど
の異物を感じると、まず「くしゃみ」で異物を吹き飛ばします。そして、「鼻水」
と一緒に異物を洗い流し、体内に異物を侵入させないように粘膜の炎症を起こ
して鼻をつまらせます。くしゃみ・鼻水・鼻づまりは、人間の体を守るための
大切な防御力なのです。



<口の防御力>
 唾液は、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液であり、その中にはさまざま
な殺菌・抗菌作用をもつ抗菌因子が存在しているため、細菌やウイルスなどの
異物が口の中へ侵入したときに体を守る働きをしています。唾液の抗菌因子に
は、免疫グロブリン(1gA、1gG、1gMなど)やラクトフェリン、リゾチームな
どがあり、微生物からの毒性物質の産生と微生物の増殖を抑制し、直接・関節
的に作用して抗菌します。



<気管・咽頭の防御力>
 人は呼吸の際に、空気とともに微細な異物を取り込みます。取り込まれた異
物は、気管・咽頭で分泌されている粘液にからみ、痰として口から排出される
ことで異物の肺への侵入が妨げられています。また、気管・咽頭を強く刺激す
る大きな異物や煙などの有害物質が入り込むと、瞬時に排出しようとして出る
咳も防衛機能の一種です。



<皮膚の防御力>
 皮膚は、体の中で最も大きな体積と重量を有する組織であり、紫外線や細菌
やウイルスなどの外部の刺激から、私たちの体を防御する重要な役割を担って
います。
 皮膚は、大まかに表皮・真皮・皮下組織から構成されています。特に皮膚の
最も外側にあり、外部からの刺激を防ぐ働きをしているのが表皮です。
 表皮は、外側から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つの層から成ってお
り、角質層は皮膚の最外層として外部とじかに接することで、外部の刺激から
体を守る重要な働きをしています。




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