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2.「味わう」という能力の不思議 (4)温度と味覚 甘いものは別腹!その秘密は





3.「色・明るさ」による心理的効果 (3)「明るさ」による影響


 溶けてしまったアイスは、凍っていたときより甘く感じたり、熱いスープが
冷めたとき味が濃くなったように感じることがあります。
 これは、味細胞内で味の情報を伝えるタンパク質である酵素が、体温くらい
の温度のときにもっともよく働くためです。味細胞が食べた物によって低温や
高音の環境になると、酵素の働きが一時的に弱くなり、味を感知する働きが鈍
くなります。高温の食べ物や、低温の食べ物は、この効果を踏まえて強めに味
付けされています。そのため、時間がたって、これらの食べ物が常温になって
しまうと、味細胞の酵素の働きが強まり、味が濃くなったように感じられます。

 人間は一般的に、体温±25~35℃の食べ物を好み、おいしさを感じやすいと
されています。つまり、温かい物は60~70℃前後、冷たい物であれば0~10℃
前後でよりおいしさを感じます。

 また、温度の影響によって変化しやすい味、温度による影響を受けにくい味
があります。変化しやすいのは甘味・旨味・苦味の3種類、変化しにくいのは
塩味・酸味の2種類です。例えば、温かいみそ汁は、うま味が強く塩味もそこ
そこ感じられておいしく感じますが、冷めるとうま味の強度は低下します。と
ころが、塩味は温度に影響を受けず、ほとんど変化がないので塩味が際立って
しまい美味しさを感じにくくなります。




コラム:甘いものは別腹!その秘密は



 満腹になるまで食事をして、もうこれ以上は食べられないと思った後でも、
おいしそうなケーキやデザートが出てくると、不思議と食べることができてし
まうということがあります。これをいわゆる「甘いものは別腹」といいます。

 なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。その鍵を握るのは、脳内の視床
下部で分泌されるオレキシンという接触促進物質です。
 実際に舌で甘さを感じなくても、今までの食経験と想像から「こういう味だ
ろうな・おいしいだろうな」と想像することができます。これだけで、私たち
の脳はオレキシンを分泌することができます。

 オレキシンによって甘いものを食べたいという意欲が促進されます。オレキシ
ンが分泌されると、消化器官の働きが活発になって、胃の十二指腸に近い部分
が収縮し、胃の食道に近い部分が広がります。つまり、胃の中の食べ物を十二
指腸へ送り出し、胃の入り口の筋肉をゆるませて、食べ物が入るスペースをつ
くり出しています。これが、別腹のしくみです。



3.「色・明るさ」による心理的効果 (3)「明るさ」による影響
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