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なぜ人は眠くなるの? [健康]

なぜ人は眠くなるの?
 なぜ人は眠くなるのでしょうか。私たち人間が眠くなるのは、疲れを感じて
眠くなる「恒常性維持機構」と、夜になると眠くなる「生体時計機構」の2つが
総合的に補い合っているからです。

睡眠の不思議「なぜ人は眠るの?」





<恒常性維持機構>

●睡眠物質の蓄積
 私たちは、日中長い間おきていると次第に眠くなります。特にスポーツをし
て体を動かしたり、頭を長時間使う作業をした日には、脳や体の疲れを回復さ
せるために睡眠が必要となり、眠気が起こります。


 また、脳は日中活動している間に一種の老廃物である睡眠物質を産生します。
これは眠りを引き起こす物質であり、起きている間に徐々に蓄積されます。日
中、脳の活動は多くの神経伝達物質とホルモンのサポートによって成り立って
います。これらの物質は脳内での役割を終えると分解され、夜になると残骸と
なって脳内に蓄積します。代表的な睡眠物質にプロスタグランジンD2があり、
強力な睡眠誘導作用があります。



●睡眠負債の解消
 睡眠物質が蓄積された状態を睡眠負債といいます。この睡眠負債は、眠るこ
とでしか解消することができず、睡眠負債が溜まった状態が続くと脳の働きが
低下します。

 睡眠が不足すると、その日の不足分がなくなることはなく、翌日に持ち越さ
れます。翌日も不足するとさらに次の日に持ち越されるというように、日ごと
に次々に不足が加算されていきます。例えば、8時間睡眠が必要な人が、その日
3時間しか睡眠をとらなかった場合、一日で5時間の不足ができてしまいます。

これを解消するためには翌日13時間の睡眠をとらないと不足は解消されません。
しかし、そこまでの睡眠を取るのは難しいのが現状です。睡眠負債が蓄積する
ほど脳は眠るように強く指令を出します。それにより、仕事中や通勤中に居眠
りをすることで脳は負債を減らそうとします。その結果、仕事でミスをしてし
まう、勉強に集中できない、思わぬ事故を起こすなどの問題は発生することも
あります。

 睡眠負債を解消するためには、休日に長めの睡眠をとる、仮眠をとるなどの
方法があります。私たち人間は「寝溜め」をして、言わば睡眠の貯金のような
ものをつくることはできませんが、休日に少し多めの睡眠をとることで睡眠負
債を軽減することは可能です。また、睡眠をあまりとれないと分かっている日が
あれば、その前に少しの時間であっても仮眠をとることで眠気が和らいだり、
疲労感が軽減されるといわれています。このように、恒常性維持機構が働くこ
とによって睡眠が誘発されるのです。



<生体時計機構>
 生体時計機構とは、その日の体調や疲労感などに関係なく、「夜になると眠く
なる」という体内時計によるものです。この働きは、脳の視床下部にある視交
叉上核というとても小さな器官において調整されています。視交叉上核の指示
によって、夜になると睡眠を促すメラトニンというホルモンが徐々に分泌され
て眠くなります。




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