SSブログ

世界を驚かせたクローン羊「ドリー」の誕生 ES細胞 [健康]

人口幹細胞と再生医療


 2006年に、京都大学の山中伸弥教授が「iPS細胞」を誕生させ、ノーベル医学・
生理学賞を受賞したことは、まだ記憶に新しいですね。ここでは、不可能を可能
にした人口幹細胞の誕生とその驚くべき能力について、また、世界が注目する
人口幹細胞を活用した再生医療についてみていきます。






個性豊かな細胞たち 大きさ・形、最も多い細胞は?寿命は!? 




世界を驚かせたクローン羊「ドリー」の誕生



 クローン羊の「ドリー」覚えていらっしゃいますか。クローンとは、一卵
性の双子のように「ある個体と全く同じ遺伝子をもつ別の個体」のことを意味
します。ES細胞で問題となった拒絶反応を防ぐため、患者本人の細胞から取り
出した遺伝子を含む核を、核を取り除き遺伝子が存在しない他人の卵子(未受
精卵)に移植し、ES細胞をつくり出す「クローンES細胞」という技術がES
細胞の次に生み出されます。クローンES細胞は、患者本人の遺伝子からつくら
れるため、拒絶反応の心配はありません。


 この「クローンES細胞」の技術を用いて1996年にイギリスで誕生したのが、
クローン羊の「ドリー」です。「拒絶反応」の心配のないクローンという形を用
いることで新たなES細胞を生み、羊のクローンをつくり出すことに成功します。

しかし、ドリーはほかの羊に比べ寿命が短かったことや体の不調など、さまざ
まな問題を抱えていたことが分かっています。

 また、ヒトでのクローンES細胞の成功例はいまだにありません。もし仮に成
功したとしても、卵子提供者の負担や、クローン人間づくりにつながり兼ねな
いとして、倫理問題が浮上してきます。

 このようなはいけいからも、やはりiPS細胞の誕生は、ES細胞のさまざまな壁を
乗り越える画期的なものだったといえるのでしょう。

nice!(29)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。